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【禁聞】注目の裁判の「微博中継」 政治宣伝手段にすぎない

2013年10月13日

【新唐人2013年10月13日付ニュース】薄熙来裁判で、中国当局は異例のミニブログ(微博)によるネット中継を行うことで、世界から注目を集めました。その後、中国各地の裁判所も次々ミニブログ(微博)を開設し、いわゆる“ミニブログ中継”が中国全土を席巻しています。政府系メディアもミニブログ(微博)中継は司法の透明性を高めるためだと大々的に宣伝していますが、多くの弁護士は否定的な見方をしています。また、ある分析では、これは当局の政治宣伝のための一種の手段にすぎないと指摘されています。

 

山東省済南市中級人民法院で行われた元重慶市共産党委員会書記・薄煕来の初公判は、異例のネット中継が国内外の注目を集めました。中国各地の裁判所も次々まねをし始め、9月末まで、すでに955の裁判所がシナウェイボーに公式ミニブログ(微博)を開設しています。

 

政府系メディアは、各地の裁判所のネット中継をおおいに称え、中国司法は開放的で透明な、インタラクティブな方向に向かって邁進していると大々的に宣伝しています。一方、法曹界の学者と弁護士は違う見方をしています。

 

中国人権弁護士 唐荊陵さん

「裁判所の微博開設は今の輿論形式の変化に対応するためだと思います。しかし、真の司法公開まではまだまだ遠いのです。司法の公開とは政治形態上の転換を意味しますが、現在の政府形態では、真の司法公開は不可能です」

 

データによると、現在中国本土の31の省のうち、17の省で“裁判のネット中継”が行われていますが、そのほとんどは医療紛糾、債務紛糾、強盗事件などの民事案件で、民衆の生活や利益、人権に関わる案件および民衆が関心を持つ重大な案件などは公開されていません。この現状に対し、民間ではミニブログ(微博)中継をこのように評価しています。“あなたの中継に私は興味なし、私が知りたい事は中継されない”

 

中国の弁護士 劉暁原さん

「当局の目的は法廷審理の公開性をアピールするためです。『ネット中継で、もっと多くの情報を提供する』と。今はネット技術も発展しているので、映像中継も可能なのに、なぜしないのでしょうか?『微博中継』だと、内容を制限し、コントロールできます。薄煕来裁判のように、一部の内容は公開されていないのです。公開内容を選択できるのです」

 

最近、最高人民法院は弁護士が案件審理の過程を個人のミニブログに公開することを禁止。法曹界からは“矛盾のある司法解釈”であると非難されています。裁判所はミニブログ(微博)中継ができるのになぜ弁護士はだめなのか。当局は一体何を恐れているのでしょうか。多くの弁護士は、裁判所が民衆の知る権利を無視して、自らに有利な情報のみを公開することを案じています。

 

中国の弁護士 唐荊陵さん

「これは当局の『ブラックボックス体制』と大きな関係があります。情報の伝達を妨げるのはコントロールできない、言論や行動の発生を恐れているからでしょう。例えば、法廷審理の時、薄煕来裁判のように大きな内幕が暴かれたとき、これらの情報が外に伝わると挽回できなくなるからです」

 

情報筋によると、済南市中級人民法院の薄熙来裁判のミニブログ(微博)中継は、裁判所によって厳選された内容で、政治的要素は削除されました。例えば、薄煕来が王立军の亡命未遂事件を処理するにあたって上層部から“六つの指示”を受けたと述べた場面や、無期懲役の判決が下された時、激怒して抗議する場面などは公開内容から除かれました。

 

中国の弁護士 唐荊陵さん

「この種の影響力のある案件はその審理を公開ないでしょう。中共政治の闇を守るためです」

 

ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は評論家の言葉を引用して、中国当局のこのいわゆる透明性政策の目的は、透明性の名目下で真相を隠す為のものであり、却って当局が訴える司法の透明性と公開性の制限性と欺瞞性を浮き彫りにしていると指摘しています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。


http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/10/04/atext978101.html(中国語)

(翻訳/吉田 編集/萩野・坂本 ナレーター/萩野 映像編集/工)

 

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